SABFA magazine

ヘアメイクアップアーティスト

2022.6.13

♯3 なぜメイクアップを学ぶことがサロンワークに活きるのか? Vol.2― une英香さん

【英香】
東京都出身。国際文化理容美容専門学校卒業。新卒で有名デザインサロンに入社。代表のメインアシスタントとして多くの撮影に同行。デビュー後はサロンワークを軸に、ファッション誌、美容業界誌の撮影やセミナー講師としても活躍。2019年に独立し「une」を立ち上げる。ファッショニスタとしてメディアに取り上げられることもしばしば。彼女のライフスタイルに憧れる女性美容師も多い。

ナチュラルな中にモードな雰囲気を漂わせるデザインで、多くの女性から支持されているune英香さん。同業者の美容師からもリスペクトされる存在です。美容師として、サロン代表として忙しく過ごしていた彼女が、SABFAでヘアメイクアップを学ぼうと思ったきっかけはなんだったのか。そして、学んだ後に何が変わったのか教えていただきました。

リアル&ナチュラルを突き詰める一方で、引き出しの少なさを感じていた

私が美容専門学校卒業後に勤めていたのは、ファッション感度の高い方たちから支持されるサロンでした。美容業界からも一目置かれていたサロン代表のアシスタントをしていたので、早くからサロンワークだけではなく、外部の仕事を見て学ぶことができました。当時はサロンにヘアメイクアップアーティストも所属していたので、月に3回ほどメイクアップを習う機会もあったんです。「60年代のメイクアップをやりましょう」など毎回テーマが違って面白かったですね。

スタイリストデビューしてしばらくすると、雑誌、業界誌、アパレル関係の方からの依頼などを受けて、撮影やヘアメイクアップをする機会も増えました。特に、ヘアアレンジやヘアセットの依頼をたくさんいただいていましたね。仕事をいただけることはありがたいのですが、一方で自分のデザインの引き出しが少ない気がしていたんです。どちらかというと私は、いわゆるクリエイティブなデザインよりも、ナチュラルなものが好きなので、自分のブランディング的にも、ナチュラルなデザインを打ち出してきました。

2019年に前職のサロンから独立し、uneの代表になってからは、新しい学びを積極的に入れることの必要性を感じていました。立場的に一番上だから、目上の人に教わる機会がないし、私の成長が止まったら、スタッフに伝えられることも限られてしまうからです。

美容業界誌の表紙の撮影で味わった悔しさを、SABFAで学ぶモチベーションに

新しい学びが必要だと痛感したのは、ある美容業界誌の表紙を任されたときです。とても光栄な仕事だったのに、満足できる撮影ができませんでした。それがとても悔しくて。「これは一度、真剣にヘアメイクアップを学んだほうがいいかもしれない」と思い、SABFAで学ぶことにしたんです。

SABFAを選んだ理由は他にもあります。私はSABFAの卒業生であり資生堂アーティストとして活躍する進藤郁子さんを尊敬していましたし、進藤さんをはじめとする現役のヘアメイクアップアーティストとして活躍している方から学びたかったのです。もう一つ大きかったのは、学校が原宿に移転したこと。以前の場所と比べるとサロンからも近いので、通いやすいと思いました。

入学してまず感じたのは、学生の意識の高さです。毎回、課題があるんですが、そのクオリティがすごく高い。「負けていられないな」と思いました。また、デッサンを描くときも「そこまで手がこんだものを描くの?」と驚かされたことも。それを見て「疲れているとか言い訳できない。もう少し頑張ろう」と奮起しました。

学生の年齢もさまざまで、若い方が海外での活躍を夢見て学んでいると話していたことも印象的でしたね。卒業後のキャリアもしっかり考えていて、「きっと輝かしい未来が待っているだろうな…」と感じて羨ましかったです。

デザインの意図を、自信を持って説明できるようになった

カリキュラムで学ぶ技術は、資生堂ならではの理論があるので、どんな意図を持ってどんなメイクアップをするのか、自信を持って説明できるようになったことも大きな変化です。併設スタジオを使った撮影で、光の効果や使い方を学んだことも、卒業後に活かされています。

入学前は、「もしかしたらコロナ禍で非接触の講義が増えるのかな」という心配もありました。でも実際は、毎回モデルさんを用意して、リアルで実践を通じて学べたこともありがたかったです。先生たちが、学生一人ひとりにしっかりと寄り添う様子も印象的でした。独学だと自分のメイクアップが目的に合ったものになっているか判断することは難しいですよね。ヘアメイクアップの現場でバリバリ活躍している先生に評価してもらえたことは、間違いなく成長につながっていると思います。

SABFAでの学びは、サロンワークでも役立っています。お客さまやスタッフに「ゴールデンバランスは…」とか、「このバランスを少し変えるとコンプレックスがチャームポイントに…」という具合に、知識を使っています。撮影のときも、普段使わないメイクアップ用品を持っていったりしていますし、「メイクアップをしっかりやろう」という意識が高まりました。

デザインの守備範囲が広がり、スタッフへのアドバイスの幅も広がった

またSABFAに通う前は、ナチュラル系のメイクアップが多かったのですが、コンサバ系や濃いめのチークをつかうなど、自分の好きな表現の枠をこえられるようになりました。スタッフに対しても、「キュート系なら…」「クール系に寄せるなら…」という感じでバランスを修正するときに、的確なアドバイスできるようになったと思います。

私のお客さまには美容師も多いです。みんなSABFAに関心を持っているし、どんな学校なのかも知っているから、「どんなことを教えてもらったんですか?」と興味津々で聞かれることも。SABFAを卒業していることが、信頼にもつながっているような気がしますね。

次のステップに進むため、SABFAの「アドバンスヘアコース」も視野に

uneをオープンして3年がたち、スタッフにお店を任せられるようになってきました。私が産休中も問題なくお店を回してくれていたので、ずっとサロンにいる必要はなくなったかなと思っていまして。セット面も限られているし、私のお客さまばかりで埋めてしまうのもよくないので、これからは外部の仕事を増やしていきたいと思っています。

ありがたいことに撮影の仕事はいくつもいただいており、先日も業界誌で6Pの企画を担当しました。SABFAで学ぶ前と比べると、自信を持ってやり遂げることができたと思います。また、近々JHA(Japan Hairdressing Awards)などのコンテストにチャレンジしてみたいです。

SABFAの「アドバンスヘアコース」に通いたい気持ちもあります。もともと興味があったのですが、基礎がないまま受けてもついていけないかもしれないと思って、まずは「ヘアメイクアップコース」を選んでいたのもありまして。「アドバンスヘアコース」を受講するかどうかまだわかりませんが、SABFAでの新しい学びをサロンの発展や教育に役立てつつ、ヘアメイクアップの活動もより広げていければと思っています。

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