SABFAを率いる新校長の
計良宏文が
前校長の原田忠と
語り合う

ヘアメイク業界の現在と未来

本物か、それ以外か。
SNS時代に加速する二極化

―現在のヘアメイク業界、美容業界はどうですか?

計良 今、時代はどんどん変化していて、美容学校を卒業したての若い人でもSNSのフォロワー数が多いことで、顧客がつく時代になってきています。だからこそ、技術力や感性、美意識といった立ち返るべき大切なもの、確かなものが問われていると感じます。

原田 本物か、そうじゃないかの二極化は、今後さらに進むと思いますね。これだけ情報量が多い中で、どれが本物かみんな精査できないでいる。信頼できるものを探し求めている時代とも言えます。

計良 「人気のある人=実力のある人」という錯覚が起こりがちで、決して間違っているわけではないけど当たり前になりつつあります。フォロワー数が就職の一つの基準になっているという話も耳にするので、業界の標準や優位性、価値観が変わってきている可能性があります。

原田 だからこそ、業界全体が本物にならなくてはいけない。本物でない人たちは淘汰されていく時代にどんどん入っていくと僕は感じています。

時の洗礼を受けて、
それでも残るのが本物

―本物を見る目を養うには、何が必要ですか?

原田 時の洗礼を受けているもの、これに限ります。小説でも絵画でも音楽でも映画でも、良いものは必ず残っているわけです。

計良 洗練されて、淘汰されて、あるべき姿になっていく。余分なものが削ぎ落とされて必要なものだけが残っていく。これが本物だと思います。

原田 それを心で感じることです。ただ見てわかるほど単純ではありません。そして、なぜ?という気持ちを持って、一歩進めることが大切です。素敵だな、きれいだなと思うものを一歩進めて、作者の人となりや背景を調べて共感できる、信頼できるとなったら、本物に一歩近づくことになる。

計良 職人、背景、歴史……本物にはストーリーがあります。うわべだけをさらっと見て素敵だと感じるだけでは、まだその人には本物が伝わっていません。本物の奥にあるストーリーとともに見る目が養われると、「本物感」がわかってくると思います。

突破する原田、許容する計良。
新旧校長の内なる「本物」

―お互いのどこに「本物」を感じますか?
相手の何が欲しいですか?

原田 計良さんはいろんなものを許容する力があるんですよね。許容したものを拒絶しない。これはすごいことです。まずは受け入れる。僕にはない力です。

計良 僕は、原田さんの持ち味である突破力ですね。突き進む力。高い目標があって、クオリティもそうだし、こだわりの部分、譲れない部分とか、すごく高いところに設定している。そして突き進んでいく。

原田 その分、僕は好き嫌いで判断してしまう自分がいたりして、計良さんの「何者にでもなれる」「何でもできる」というところに本物を感じます。その力、欲しいですね。

計良 原田さんの場合は、結果的にまわりが認めてしまうんです。そこがすごいところ。つまり、それほどテクニックやクオリティが高い。「そこまでやるなら、感服です」と、周囲を納得させてしまう。それが出来る人はなかなかいないと思います。

校長である前に、
一人のアーティストとして

―これまで手がけた仕事の中で、ご自身が気に入っているものは何ですか?

原田 『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラクターを、ヘアメイクとファッションで3次元化したことです。もともと大好きな漫画で、だれかに依頼されたわけではなく自ら発案して、企画しました。原作作者にも実際にご覧いただき、最後はオフィシャルになっていきました。これは、ある意味で確信犯的なところがありました。世の中に送りだす以上、クオリティの高いものを作らないといけない。逆に言うと、いいものを作れば作品がひとりでに走り出す。過去の作品にもかかわらず、いまだに新鮮さを失っていないのも、作品の持つ力が強かったんだと思います。

計良 僕は「でんぱ組.inc」という秋葉原の アイドルグループ のためにフィギュアのヘッドを作った仕事が印象深いです。ちょうど2011年の震災のころでした。ミキオサカべさんのファッションショーのためのアイデアで、一人ではできないので、後輩たちにも声をかけて協力してもらいました。 「この方法で人形みたいなヘアスタイルが作れるんだ」という新しい発見もありました。若いときから美術系で学んだ彫刻や絵の技術も、役に立ちました。達成感もあったし、他の領域で身につけたこととヘアメイクの世界が繋がるようにもなりました。

焦燥感、挫折、リセット。
考えぬく力と次に向かう勇気

―逆に、つらかったことは何ですか?

計良 認めてもらえるようになるまではつらかったです。30歳手前まではなかなか芽が出なくて。僕は美容学校卒業したてで入社したのですが、SABFAを受けて入ってくる人たちはキャリアもあって上達が早い。追い抜かれていくような感覚がいつもありました。

原田 僕の場合は美容師になる前に航空自衛隊にいて、でも適性がなくて戦闘機のパイロットにはなれなかった。管制官にはなれたけど、本当はなりたかった夢が目の前にあるのに、なれない。目の前にあるのに届かない。それが一番つらかったです。

計良 見返してやりたい、もっとうまくなりたい、ほかの人と何がどう違うんだ、と、自分に足りないものを一生懸命考え抜きましたね。20代後半でした。

原田 僕はパイロットを諦めて、美容師を目指した。その経験から、一回リセットする勇気、潔さというものを学びました。納得して次に向かうことも大事です。

SABFAは最新鋭の空母
プロフェッショナルの発着地

―ご自身の経験も踏まえて、SABFAとはどういう存在ですか?

原田 僕の中では、SABFAは例えて言うなら最新鋭の航空母艦みたいな存在なんです。大海原で船を動かすためには艦長だけがいてもダメ。いろいろな役割を担う人がいて、そこへ学びにくる人もいれば、そこから飛び立っていく人もいる。そして、常に動いている。

計良 面白い例えだし、すごくハマっている気がします。多様な人材と才能が集まってくる場所。ここで学んでそれぞれの得意分野で活躍していく、SABFAのイメージはまさにそれです。

原田 空母なので、常に動いて、突き進みながら、そこでそれぞれが最大限の役割を果たす。送り出すときもあれば、迎え入れるときもある。

計良 SABFAがここまで来れたのは、卒業していった数千人の卒業生の皆さんの活躍や実績、業界への貢献があったからです。その信頼を受け継ぎながら、これからの時代を生き抜く次の世代にしっかりと繋げていきたい、と思っています。

未来のヘアメイクアップ
アーティストに期待すること

―最後に、これからSABFAを目指す人に期待することは何ですか?

計良 AIが台頭する時代に、どれだけの職業が生き残っていけるのか。ヘアメイクの業界もけっして例外ではありません。メイクもプリンターでできる時代になるかもしれない。だけれど、ディレクションする力、考えて導いていく力は絶対に必要になります。

原田 問題を発見する力と、想像力を働かせてそれを解決する力が求められています。それがしっかりできて、なおかつ、時代の変化に対応しながら実行に移せる人、そういう人が生き残るのだと思います。

計良 技術的なものは何かに置き換わる可能性があります。でも、考えて発見して行動に移して導く、というのは、本物のプロでないとできない。ディレクションできるヘアメイクアップアーティストが業界としても必要であり、そういう人材となることを目指してほしいと思います。

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